世界初の小児専用施設

小児の難病治療ではトップクラスの米国セント・ジュード小児研究病院(St. Jude Children’s Research Hospital)は、12月14日、世界初となる小児専用の陽子線がん治療システムを備えた治療室をオープンした。

スポットスキャニング照射技術、190度回転ガントリの採用

同システムは株式会社日立製作所が納めたもので、世界で初めて米国食品医薬品局(FDA)の販売認可を得たスポットスキャニング照射技術が全室に使われている。これは、均一なエネルギーの陽子ビームを高度なコントロールで照射する技術。複雑な形状のがんに対し精度の高い照射が可能で、無駄な放射線の発生を抑えることができる。

また、日立独自の190度回転ガントリの採用により、広い治療室空間を確保、家族が治療直前まで子どもに付き添うことも可能となっている。

陽子線がん治療は、陽子を加速器で光速の70%まで加速させ、集中的にがん細胞に照射することでがんを治療する。X線治療に比べ、健全な細胞へのダメージが少なく、後遺症が軽減されるため、小児がん治療には特に適している。

セント・ジュード小児研究病院

セント・ジュード小児研究病院のCEOは、

「この陽子線治療施設のオープンは、子どもたちへ後遺症を緩和する効率的な治療を提供するための重要な一歩です」(プレスリリースより)

と述べている。

同病院は、

「未来のある子どもたちが人生の夜明けを前に死んではいけない」(プレスリリースより)

との思いを持った米国のエンタティナー、故ダニー・トーマスの寄付で設立された。米国国立がん研究所の推奨をうけ、世界中の子どもたちの難病治療と研究にあたる。

米国の小児がん生存率は、この50年で20%から80%に向上したというが、セント・ジュード小児研究病院は、その中心的な役割を担っている。

(画像はセント・ジュード小児研究病院 プレスリリースより)

▼外部リンク

株式会社日立製作所 プレスリリース
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2015/12/1215.html

セント・ジュード小児研究病院 プレスリリース
https://www.stjude.org/media-resources/news-releases/

掲載日:2015/12/17