別種の神経細胞に変化

2016年2月23日、慶應義塾大学の大石康二講師、仲嶋一範教授らの研究チームはマウスを用いた実験で、子宮内胎児における大脳皮質の神経細胞を本来とは異なる位置に配置すると、本来とは異なる性質の神経細胞に変化することを発見したと発表。

今回の研究成果は生命科学分野のオープンアクセス誌である「eLIFE」にて公開されている。

細胞の運命を変える

大脳皮質は様々な種類の神経細胞から成っている。この種々の神経細胞たちは胎生期にどの神経細胞になるのか決定されているとこれまでは考えられていたのであるが、今回の研究によってその考えは覆されたのである。

同研究チームはプロトカドヘリン20(以下、Pcdh20)に着目。Pcdh20とは大脳皮質第4層の神経細胞に発現する膜タンパク質だ。

まず、発生過程のマウス大脳に子宮内胎児脳電気穿孔法を施し、Pcdh20の発現を阻害。さらに、Pcdh20の発現を阻害した神経細胞は蛍光タンパク質によって脳内での位置や形態を把握できるようにしておいた。

その結果、Pcdh20の発現を阻害した神経細胞は第2層から第3層に配置されることが判明。それだけでなく、この神経細胞には第4層細胞の特徴を持たず、第2層から第3層細胞特有の形態をとっており、連絡様式や遺伝子発現様式も第2層から第3層細胞の特徴を備えていることが明らかに。

つまり、第4層神経細胞になるはずだった細胞が運命を変えて第2層から第3層細胞に変化したということだ。このことから、細胞誕生時に神経細胞の種類が決定しているわけではなく、配置された環境によって対応変化することがわかった。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

慶應義塾大学 プレスリリース
http://www.keio.ac.jp

掲載日:2016/2/26