臨床検査技師(MT)の職場には、臨床検査センターや医療機器メーカー、製薬メーカーなどの企業もあります。その中でも大手の企業は収入が良いことや福利厚生も充実していることから、就職や転職を考えている人も少なくないでしょう。

今回は、大手企業で臨床検査技師として働くことを考えている人に、大手企業の特徴や仕事内容、メリットやデメリットをご紹介します。

どのような人が大手企業に向いているのかも説明しますので参考にしてみてください。

1. 大手企業の特徴

臨床検査技師が勤務する企業というと、臨床検査受託会社や医療機器メーカー、製薬メーカーなどが考えられます。

病院と比べると、臨床検査受託会社はほとんど同じ仕事内容ですが、医療機器メーカーや製薬会社では営業が多いため、大きく異なることになります。

また、中小企業と大手企業での比較で考えると、通常の企業の場合と同じく、社員の数や資本金、出資額などが異なります。一般的に大手企業の方が給与や待遇が良かったり、福利厚生が充実しているケースが多かったりするのも特徴と言えるでしょう。

2. 大手企業での仕事内容

臨床検査技師が企業に勤める場合、業種が同じであれば大手企業も中小企業もそれほど大きな違いはありません。

ただ、一般的に大手企業の方が、業務が細分化されていたり、ルールの整備もしっかりしていたりする傾向がありますので、ここでは大手企業を例にどのような仕事を行うかについて取り上げます。

 臨床検査センター

臨床検査センターで働く場合、仕事内容は検査設備のない小さな病院やクリニックから検体を預かって検査を代行することです。

地域の医療機関から検体が集まるので、検体数は膨大な数になりますが、高い精度も求められますので、検査技師としての高いスキルが求められると言えるでしょう。

 製薬メーカー・医療機器メーカー

製薬メーカーや医療機器メーカーで働く場合には、大手企業の特徴でも述べたように、「アプリケーションスペシャリスト」とも呼ばれる営業サポートとして働くケースが多いです。

具体的には、営業担当者と同行して、臨床的・専門的な知識や経験を活かしてセールスのサポートを行うことや、機器の導入や保守などのサポートを担当します。

 治験関連企業

治験関連企業には、病院から治験業務を請け負う企業や、医薬品の開発を行ったりする企業などがあります。

治験業務で被験者や医師、治験依頼者の間に入って全体をコーディネートする治験コーディネーターという仕事があります。

被験者の臨床検査値を把握するなど、検査値変動を読み取る知識を活かすことができます。

3. 大手企業で働くメリット・デメリット

臨床検査技師が大手企業で働く際の主な利点や欠点をご紹介していきます。

 大手企業で働くメリット

大手企業で働くなら高収入を期待できることや、福利厚生が手厚いことが挙げられます。

これは企業に限った話ではありませんが、臨床検査技師として収入アップするには管理職になるという方法があります。大手企業なら管理職のポストの数も多いので、より収入アップの可能性が高くなると言えるでしょう。

 大手企業で働くデメリット

大手企業になると体制が整っている分、ちょっとした作業でも上司の許可を取らなければならない可能性があり、少し手間に感じてしまうかもしれません。

また、意見や提案を通すのが難しい、上司が変わると業務内容が変わってしまうケースがあるなど、人が多いからこそ発生する問題に直面するかもしれません。

4. 大手企業がおすすめな人

ここまで大きな企業の特徴や仕事内容、良い点や悪い点などを見てきましたが、どのような人に大手企業で臨床検査技師として働くことが向いていると言えるかお伝えします。

 安定した収入を得たい人

大手企業は病院や中小企業に比べると、給与面で優遇されていることが多いため、安定した収入を得たい人におすすめです。

また、会社の信頼度も高いため、クレジットカードやローンなどの審査も通りやすいといった利点もあります。

 福利厚生を重視している人

大手企業では収入の面だけでなく、福利厚生も充実しているため、福利厚生を重視する人にもおすすめと言えます。

休暇制度や通勤・住宅関連の手当てなども中小企業よりもしっかりしていることが多く、生活の豊かさにつながります。

 将来、管理職を目指している人

ほかにも、大きな企業では管理職になれる可能性も中小企業よりは高いことが多いので、将来的に管理職になって活躍したいと考えている人にもおすすめです。

また、企業によっては国内出張や海外出張などが多い場合もあり、さまざまな場所で仕事ができます。