近年は医療の高度化や複雑化が進んでいるので、医師や看護師だけでなく、多数の医療職が連携して診療を行う「チーム医療」が多くの病院で行われています。

臨床検査技師(MT)もチーム医療の一員として働いており、院内のさまざまなチーム医療に参加してMTとしての知識や技術を提供しています。

今回は、MTにはチーム医療でどのような役割が求められているのかということや、どのようなスキルが必要とされているかについて詳しくご紹介していきます。

1. チーム医療で求められる臨床検査技師の役割

チーム医療とは、医師や看護師、臨床検査技師(MT)、薬剤師、管理栄養士などさまざまな職種の医療スタッフがお互いに専門性を活かして連携しあうことによって、患者さんに合わせた治療を行うことです。

MTは検査室にこもってデータ測定をしているイメージがあるかもしれませんが、血液検査のための採血や心電図検査などを行うのもMTの仕事です。

MTは、おもに医療施設で医師や看護師、薬剤師、栄養士などと一緒に治療を行うチーム医療に積極的に参加し、チームの一員となることによって医療に貢献しています。

2. 臨床検査技師で携わる可能性があるチームは多い

実際に臨床検査技師(MT)が携わる可能性がある医療チームは数多くあります。ここではおもなチームの特徴について詳しく説明していきます。

 ①.リハビリテーションチーム

心身に障害を持っているため、日常生活に支障がある患者さんを対象としていて、患者さんが抱える問題を評価・分析し、さまざまな手段使って早期退院や早期社会復帰を目指します。

 ②.医療安全管理チーム

生命維持管理装置などの医療機器を安全に操作したり、いつでも適切に使用できるよう保守点検を行ったりするチームです。医療施設内の機器の安全な使用を指導したり、研修を実施したりします。

 ③.救急医療チーム

通常の診療時間に受診するのでは間に合わない病気やケガをしている患者さんを対象に、応急処置をしたり、高度な医療が必要な方の救命を行ったりするチームです。

 ④.呼吸ケアサポートチーム

呼吸器疾患のために呼吸がうまくできない方や、人工呼吸器を装着した患者さんを対象に、早期に呼吸状態の改善を図り、呼吸が少しでも楽になり日常生活を過ごしやすくなるようサポートします。

 ⑤.感染症対策チーム

病院に入院している人や職員などを対象に、感染症の予防や、教育、医薬品の管理などを行うチームです。病院によっては「感染防止チーム」「院内感染対策チーム」と呼ばれることもあります。

 ⑥.栄養サポートチーム

食欲が低下している患者さんや栄養状態が悪い患者さんを対象として、適切な栄養管理を行ったり、全身状態の改善や合併症の予防に努めたりするチームです。

 ⑦.摂食・嚥下チーム

食べ物を噛んだり、飲み込んだりすることができないなど、摂食や嚥下に問題を抱える患者さんを対象にして、栄養状態や食事の状態などをチェックし、食べる機能の回復を目指します。

3. 臨床検査技師に必要なスキル

では、次に上で挙げたチームの中で、臨床検査技師(MT)としてどのようなスキルが求められるのかご紹介したいと思います。

 ①.リハビリテーションチームでは脳神経系の働きを調べる

MTはおもに脳波や筋電図などの検査を行い、画像検査だけでは判断がつかない脳神経系の働きを調べることによって、医師の診断や予後、治療効果などの判断をサポートします。

 ②.医療安全管理チームは検体取り間違え対策などに取り組む

MTは院内感染対策や輸血に関する一元管理、検体の取り間違え対策などを行っています。検体についてはミスが起こりにくいよう手順を減らしたり、ミスが早期発見できるシステムを導入したりしています。

 ③.救急医療チームでは迅速な検査が必要

24時間365日検体採取から検査結果の提供までを正確かつ迅速に行う必要があります。また、輸血製剤の保全から副作用に関する検査も行い、安全に輸血することも求められます。

 ④.呼吸ケアサポートチームでは呼吸に関する検査を行う

MTは肺活量検査など呼吸に関する検査を行って、診断や治療効果などの判断をサポートする必要があります。また感染が原因の場合には、原因となる微生物の種類を調べることも必要です。

 ⑤.感染症対策チームでは細菌検査などを行う

MTは入院している患者さんの細菌検査結果から耐性菌が増えているかをモニタリングし、医師などに対策案を提案して院内感染を予防するといった役割を果たすことが求められます。

 ⑥.栄養サポートチームでは栄養状態の検査を行う

MTは患者さんの生化学検査を行い、栄養状態を調べます。また、ほかの医療スタッフとどのようなサポートが必要か話し合い、食事内容を改善するなど患者さんに合わせたサポートも行います。

 ⑦.摂食・嚥下チームでは嚥下機能の検査が必要

このチームでMTは必要に応じて、嚥下機能を詳しく見る検査(嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査)を行います。また、患者さんが誤嚥性肺炎を起こしたときに、肺炎による炎症反応の重症度などを調べます。