臨床検査技師(MT)の国家試験に合格し、新たに職場に入った新人の方はとにかく覚えることがたくさんあるので、慣れるのに大変かもしれません。

一通りの業務をこなせるようになってからも、治療法や検査機器などは日々進歩するので、そうした流れについていくためにも勉強は欠かすことができません。

今回は、就職後の勉強が大事だと考えている新人の臨床検査技師のために、具体的な勉強方法について詳しくご紹介していきます。

1. 国家試験合格後が本当のスタート

臨床検査技師(MT)の国家試験に合格すると、病院や検査センターなどで働くことになりますが、それでMTとしての勉強は終わりではなく、むしろ合格してからが本当のスタートだと言えます。

国家試験の勉強ではMTとしての広く浅い知識しか学んでこなかったので、現場では受け持つ部門では学校では学習しなかったことも任されることがあるからです。

また、現場によっては学校で学んだのと仕事の流れや進め方も違うことがあるので、先輩の指導も受けながら、新しい気持ちで学んでいく姿勢が必要です。

いつも探求心と向上心を持って検査に臨むことによっていろいろな疑問が生じるので、答えを追求していく姿勢を持ち続けることによってスキルアップにつながっていきます。

2. 自ら学び最低限の医療知識はつける

臨床検査技師(MT)として現場に入ると、新しい検査法や最新の分析装置についても学ぶ機会が多くなるでしょう。その時にも大切なのは「自ら学ぶ姿勢」です。

この章では新人のMTがどのようなことを学ぶべきかご紹介したいと思います。

 ①.MTとして学ぶべき事柄

MTになって何から学べばよいか分からない方もいるかもしれませんが、通常の場合、生化学、血液、一般、輸血の4項目は優先して学んだ方が良いでしょう。

なぜ、この4項目が重要かというと当直(夜勤)に入るためには必須の科目になるためです。夜勤では少人数で働くことになるため、最低限これら4項目に関する知識が必要になります。

 ②.医療全般に関する知識も必要

また、新人としては最低限の医療知識も知っておく必要があります。最近ではテレビや雑誌、インターネットでも健康や病気などについて簡単に調べることができるようになっています。

医療にかかわるプロフェッショナルとして、一般の人から何か聞かれたときに「知りません」と答えるわけにもいかないので、メディアで取り上げられる医療知識は一通り押さえておくようにしましょう。

 ③.コミュニケーションスキルも培おう

最近では病院でも電子カルテやメールが使われるケースも多いですが、MTとして情報を早く伝えるためには電話で直接相手に伝えるのが確実な方法です。

最近の若い人の中には電話をかけるのが苦手という人も多いので、他人と直接話をしたりするなど、コミュニケーション能力を高めるよう努力することも大切です。

3. 勉強会やセミナーには積極的に参加する

新人の臨床検査技師(MT)が勉強する方法としては、各都道府県にある「検査技師会」が主催する勉強会やセミナーに積極的に参加してみるのも良い方法だと言えます。

初心者向けの基礎的な講演会のほかにも、何日間か実習も行いながら教えてもらえるセミナーなどもありますので、分かりやすく実践的な知識や技術を身につけるのに役立ちます。

ほかには「学会」に参加することもできます。最新の医学情報を得ることができるほか、同じMTの発表を聴講することで良い刺激を得たり、モチベーションのアップにもつながったりします。

学会ではほかの医療施設で働くMTとも知り合うことができるので、どのような取り組みやシステムを導入しているかといった貴重な情報も得ることが可能です。

4. 資格を取得するしスキルアップを

臨床検査技師(MT)として就職した最初のうちは新しい環境に慣れるのに精いっぱいかもしれませんが、落ち着いてきたら認定資格に挑戦するのもスキルアップを図る良い方法です。

医学が発展するにつれて、MTもより高度で専門的な知識が必要とされるようになってきています。そのような知識や技術を身に付けるためにも資格の取得はおすすめです。

認定資格を取るために学んだことは、現場で実際に生かすことができるだけでなく、将来転職を考えるようになった時にも大きな武器となることでしょう。

MTが取得することができる認定資格にはいろいろな分野のものがあるので、自分が興味のあるものや将来進みたい分野に役立つ資格を見つけて勉強してみると良いでしょう。

 ①.とくにおすすめなのは超音波検査士

とくにおすすめな認定資格として「超音波検査士」があります。近年、超音波検査(エコー)ができる女性技師のニーズは高まっていて、認定資格があると優遇されることがあります。