臨床検査技師(MT)になることを考えている方の中には、現在学生で進学を考えている方や、すでに社会人でMTにキャリアチェンジすることを考えている方もいらっしゃるでしょう。

いずれにしても、MTになるためには、通常の就職や転職とは違って、いくつかのステップを踏む必要があります。

今回は、そんなMTを目指している学生の方や社会人の方、それぞれの場合について詳しくご紹介するとともに、どのような人がMTとして向いているのかも解説していきます。

1. 臨床検査技師になるには国家資格が必要

臨床検査技師(MT)になるためには「国家資格」を取得しなければなりません。そのためには国家試験を合格することが必要です。ここでは国家試験について説明したいと思います。

 ①.国家試験の内容は?

国家試験の問題は「「医用工学概論」「公衆衛生学」「臨床検査医学総論」「臨床検査総論」「病理組織細胞学」「臨床生理学」「臨床血液学」「臨床微生物学」「臨床化学」「臨床免疫学」から出題されます。

試験は午前100問、午後100問の合計200問出題され、1日間行われます。合計120点以上(正答率60%)以上で合格することができます。

 ②.国家試験の合格率や難易度は?

国家試験の合格率は70%~80%程度となっていて、看護師の国家試験合格率が90%前後であることを考えると、難易度としては、やや難しいと言えるでしょう。

国家試験というと難易度が高いというイメージがあるかもしれませんが、まじめに授業や実習などを行い、知識と技術を習得していれば合格は想像するほど難しいことではありません。

2. 学生が臨床検査技師になる方法

学生が臨床検査技師(MT)になるためには、国家試験に合格する必要がありますが、まずは受験資格を得るために、MTの養成施設に3年以上通い、所定の課程をすべて修了する必要があります。

養成施設には、大学・短期大学・専門学校の3種類がありますが、大学の場合は4年間通学する必要があります。学校には全日制と夜間制があり、大学も私立大学と国公立大学があります。

学校ではどのようなことを学ぶのか

学校によってもカリキュラムは違いますが、1年次では心理学や医療学、基礎医学などの基礎知識を学び、2年次から各種検査で必要とされる専門知識や検査技術を学ぶケースが多いようです。

3,4年次になると2ヶ月から6か月ぐらいの病院実習があります。実習ではMTの指導を受けながら検体検査と生理機能検査で測定から医師へデータを報告するまでを習得できます。

3.社会人から臨床検査技師になる方法

社会人から臨床検査技師(MT)になる方法も、基本的には学生の場合と同じで、MTを養成する学校に入学する必要があります。

学生と同様に、養成施設には大学・短大・専門学校がありますが、社会人の場合は専門学校に入るのがおすすめです。その理由をいくつかご紹介したいと思います。

 専門学校に入るメリット

社会人が専門学校に入るメリットとしては、もし大学に入った場合には卒業まで4年かかるのに対して、専門学校なら3年で卒業できるため、それだけ早くMTになることができます。

また、専門学校には高校を卒業してから進学する生徒も多いですが、大学卒業後や、社会人として入学してくる生徒もいるので、同じ境遇の仲間を見つけることができます。

さらに専門学校には夕方から夜にかけて学ぶことができる夜間制のところもあるので、働きながら通いたいという社会人の方もMTを目指して勉強できるというメリットがあります。

4. 臨床検査技師に求められる特性やスキル

最後に、自分が臨床検査技師(MT)に向いているか知りたいという方のために、MTに求められる特性やスキルをいくつかご紹介したいと思います。

 ①.医学や科学に興味を持っている

医学の分野はどんどん進歩しているため、MTも常に勉強する必要があります。そのため、医学や科学に興味があって勉強熱心な人が求められています。

 ②.手先が器用で集中力がある

MTの世界でも機械化が進んでいますが、病理標本や血液標本を作る作業などがあるので、手先の器用な人に向いています。

また、ミスは許されないので、集中して正確に続けることも求められます。

 ③.協調性がある

多くの病院ではチーム医療という考え方が取り入れられ、連携しながら診療にあたっています。

そのため、スタッフがお互いに協調しながら進めていくことが必要です。

 ④.コミュニケーションスキル

③の協調性とも関連がありますが、MTは他職種のスタッフと連携するため、コミュニケーション能力も必要です。

また、生理機能検査を行う際にも、会話で患者さんを安心させることが重要です。