臨床検査技師として転職する際に必要になる職務経歴書は、採用のカギを握るとても重要な書類です。しかし、どのように書けばよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、職務経歴書の実際のフォーマットをご紹介し、各項目に何をどのように書けばよいのかということを具体的に解説します。

1. 業務内容/実績は端的に

最初の項目である「業務内容/実績」には、これまでの職務経験の要約を端的に記載します。具体的には、以下の項目について5行前後にまとめましょう。

  • 臨床検査技師としての経験年数
  • 主に担当してきた業務内容
  • 教育やマネジメントの担当経験
  • コミュニケーションなど業務上大切にしている点

(例)
〇〇学校卒業後、〇〇病院の検査科に約6年間勤務しております。主に担当している業務は、心臓超音波検査と生理機能検査・検体検査であり、採血も行っています。このような業務に加えて、直近の2年間は新人教育担当を担っていました。患者様はもちろんのこと、スタッフ同士においても対応する相手に合わせた表現を用いてコミュニケーションをとることを心掛けながら業務にあたっております。

職務経歴書の導入にあたるこの部分では、あなたという人の特徴をわかりやすく伝えることで、読む相手に「これはよさそうな人材だ」と興味をもってもらうことが大切です。

2. 職務経歴は時系列で整理が基本

次の項目である「職務経歴」には、学校を卒業した後の職歴を時系列で記載します。具体的には、以下の内容を詳しく示しましょう。

  • 勤務した施設の概要(診療科・病床数)
  • 配属先の名称
  • 従事していた業務内容(検査業務だけではなく、教育担当や学会発表などのアピールポイントも記載する)

施設の概要は太字にする・業務内容は箇条書きにするなど、「みやすくわかりやすい」形に整理すると、読む人の印象がよくなります。

この部分では、何ができるのかという経験の中身を伝えることで、臨床検査技師としての能力を正しく把握してもらうことが大切です。

3. 資格/スキルを書けるだけ記載

「資格/スキル」の項目には、仕事に関連しそうなものを漏れなく記載します。

まず資格に関しては、臨床検査技師はもちろんのこと、緊急臨床検査士や超音波検査士などの認定資格がある場合には必ず記載しましょう。その他、英語検定やパソコン検定などの業務に活かせそうな資格も、全て挙げてください。

またスキルに関しては、アピールできそうなものを箇条書きにします。

この場合にも、検査業務それ自体に関することだけではなく、パソコンスキルなど関連業務に役立つことを記載し、どのようなことができるのかを具体的に示すとスキルの内容を適切に判断してもらえます。

(例)
・検査機器に対する知識(各種検査機器の点検)
・コミュニケーションスキル(多職種間の調整)
・Word(提案書や見積書などのビジネス文書作成)

この部分では、検査業務や周辺業務に関する技術レベルをアピールすることで、「求めている人材だ」と感じてもらうことが大切です。

4. 自己PRは具体的にアピール

最後になる「自己PR」の項目には、臨床検査技師としての自分の魅力を具体的に記載します。以下の3点について、簡潔にまとめましょう。

  • 長所や能力・心掛けている点などのアピールポイント
  • 上記のアピールポイントを活かして得た成功体験
  • アピールポイントによって入職後どのように貢献できるか

PRでは、入職後の貢献度を具体的にイメージできるように伝えることで、「ぜひ採用したい人材だ」と感じてもらうことが大切です。

転職先の施設について十分にリサーチし、どのような理念や方針をもっているのかをしっかりと把握し、その施設が大切にしている部分に貢献できるということをアピールし、必要な人材だと判断してもらうことを目指しましょう。

(例)
私の強みは、業務を効率よく進められることです。常に物事の優先順位を考え、先のことを見越して行動するためです。

現職では、この強みを見込まれて業務マニュアルの改訂を担当しました。その結果上司から、検査1件あたりにかかる時間が短縮され、経験の浅いスタッフでもスムーズに業務が進められるようになったという評価を受けました。

こちらに入職後も、まずは正確で効率的な業務を実現いたします。それによって、患者様の満足度を上げることに貢献させていただきたいと考えております。

また、効率的に業務を進めることを、貴院が大切にされている患者様との丁寧なコミュニケーションの時間を確保することにつなげていきたいです。

5. まとめ

職務経歴書を作成するにあたっては、臨床検査技師としての経験を簡潔かつ具体的にアピールすることが大切です。

またた当然のことながら、誤字脱字や内容の間違いをしないようにすることも欠かせません。時間に余裕をもって作成し、複数回しっかりと確認することをおすすめします。